井上ジョー 'Wet and Dry' 全曲紹介 pt.1

Joepanglish の世界、広めていきませんか?

 

2018年12月20日にリリースされたこのアルバム。'Polyglot Musix #2' からわずか五か月後のリリースで、'Farmland' を含めると年内三本目のアルバムとなりました。

 


祝!新アルバム完成!「Wet and Dry」

 


新アルバム試聴会+解説「Wet and Dry」

 

執筆時点では、YouTube のチャンネル登録者数は、30万人に迫ろうとしています。YouTuber としてのジョーさんがゆっくりと知名度を上げていっている中で、だんだんとアーティストとしてのジョーさんが再発掘される地盤ができてきているのかなと思います。もちろん、ジョーさんとしては YouTube を利用して音楽活動への関心を高めようとしているわけではなくて、単にどちらも好きなことだからやっているんだとは思います。ただ、私自身英語系 YouTuber という入り口から入って彼の音楽に出会ったので、結果的には功を奏しているわけです(ちなみに、私はアニメ・漫画に明るくないので、ナルトや銀魂を見ていた人たちの「お前だったのか!?」現象は体験しませんでした(笑))。

一見、動画(特に Vlog 系)と音楽ってとても相性がいいように思います。高画質で異国の風景をとるだけでもコンテンツとして価値がありますし、そこに良質な BGM が加わる、しかもそれが自主制作となれば、他とは大きな差がつくはずです。実際、ジョーさんは自身で MV も監督しちゃいますし、何なら他アーティスト (Diana Garnet さんや TOTALFAT さんなど。詳しくはこちら) ともお仕事してます。

まぁ実情としては、高画質動画はなぜか伸びず、逆光・下からアングルのネタ動画がバズっているというのが現実ですね。なんとも歯がゆい。

 

さて、このアルバムに話を戻しましょうか。まず目につくのは収録曲数です。8曲というのはジョーさんのアルバム史上最少なんですね。勉強系アルバムでも9曲以上は入ってます。まぁ一曲一曲がそれなりに長いですし、漫談が半分を占めてることもありませんので(笑)純粋な音楽アルバムとしては密度が高いとは思います。さらに言えば、今回のアルバムでは Joepanglish が4曲で使われているんですよね。ラップが含まれていることもあって、歌詞の練られ具合は随一といっても良いかもしれません。

次に言いたいのは、これはかなり実験的なアルバムだということです。上述した通り、ここまで Joepanglish を前面に押し出してきた楽曲集はなかなかありません。勉強系アルバムでは "Joepanglish Style!" と高らかに宣言していますが、当然のようにアルバムに入れてきたのはこれが初めてではないでしょうか。加えて、従来のバンドサウンドからかなりエレクトロ志向にシフトした感じがします。"Apocalypse" 以外ではぶりぶりベースは鳴りを潜め、シンセサイザーを駆使して構築したトラックを多用しています。特に同年の 'Farmland' と比較するとわかりやすいと思います。オープニングチューンの "Mukai Kaze" はかなり正統派のピアノロックでしたよね。"Doinaka Lifestyle" や "Country Road" はタイトルにふさわしく田舎賛美でカントリー味があります。そんなことを考えると、かなりの路線変更ですよね。

 

それぞれの曲については pt.2 および一曲解説で見ていくと思いますが、試聴会動画でおっしゃっていた部分についてついでですので触れておこうと思います。"Apocalypse" の解説中、6:40あたりからのくだりです。簡単に言うと、この曲は二パターンあるんですよね。この試聴会で流れているものおよび CDbaby 時代に販売されていたものが、 "Apocalypse"。現在 HP で売られているものは "Apocalypse (Honrai ver.)"。今では、試聴会で流れている&語られているバージョンは入手できません。そして、私の個人的な好みでは、"Apocalypse" の方がダイナミックで好きです。

では、続いて一曲一曲をさくっと紹介していきましょう。

 

sean-s.hatenablog.com