井上ジョー "Fly Away" & "飛ヴ"

「オープニングはかっこいいのになぁ」

 

こちらはですね、2016年のアルバム 'Joepop #2' に入ってます。この曲は四か国語(日本語、英語、ポルトガル語、北京語)で歌われていて、ポルトガル語の副題は「君と一緒にいたい」という意味なんですって。

 


"Fly Away" - Lyrics and Commentary

 

上の動画よりもっと長くてほとんど同じことを話してる日本語バージョンがあったので貼っておきます。情報量はむしろこっちのほうが多かったです。

 


新曲解説:"Fly Away"

 

一分くらいのMVもありますが、コメンタリーのビデオで見られるので割愛します。'Joepop #2' の曲は結構ご自身で紹介動画を作ってるものが多いので、親しみやすいですよね。

歌詞は一個目の概要欄に入ってるのでそちらをチェックしてみてください。個人的発見としては、一番のブリッジは「お願い、離さないで」をポルトガル語っぽく (?) 歌ってるのかと思ってたんですが違ったってとこですかね。

 

てなわけで "Fly Away" の方はこの際ジョーさんに任せるとして、ここからは "飛ヴ" の話をしたいと思います。

"飛ヴ" は2018年のアルバム 'Farmland' に入ってるんですが、上記二つの動画でもちょっと話に上がった別バージョンというのがこれを指してるんだと思います。

 

聴き比べてみると、"Fly Away" の方が歌詞が練られてる感じがします。いろんな言語を盛り込んだからってのもありますけど、サビとかすごくないですか? e 段の音で執拗に韻を踏むっていう異言語脚韻はもはや十八番なわけですけど、毎度毎度感動しちゃうんですよ。

"飛ヴ" から "Fly Away" になるとき何が進化したのって聞かれたら、「僕のこの手 君のその手/包み込むように重ね合わせて」を転調するラスサビ前に置いたこと、って答えます。このフレーズって言葉選び的にも浮かんでくる情景的にもすごく繊細でロマンティックだと思うんです。"飛ヴ" ではサビとして三回歌われてますが、それよりも、メリハリをつける意味で切り札的に使った方が効果的だっていう風に考えたんじゃないでしょうか。パワーフレーズつながりで言うと、「はじめましてから死ぬまで/あの日の思い出が僕をずっと照らす」もいいですよね。ちゃんと韻を踏むルールも守りながら、その子のこと好きなんだなぁっていう気持ちにさせてくれるわけですよ。だってさ、誰かにあの日の思い出が僕の支えになってるんだ、とか言われたらめっちゃ嬉しくないですか? これは転調したラスサビに満を持して登場するわけですけど、言ってみたらこれって昇格ですよね。二サビにちらっと出てただけなのに、気づいたらラスサビっていう一番いい位置に配置されてるわけですから。あえて例えるなら、高校の文化祭で、練習中はキジの役だったのに、その演技力を買われて本番は桃太郎やってたみたいなことですよ。とにかく、歌詞の入れ替えとかの試行錯誤が見えるのって、ジョーさんがどうやって曲を成長させていくのかっていう過程を追体験してるみたいでファンとしては楽しいですよね。

では、ここからはバンドがどんな感じで鳴らしてるかっていうところにフォーカスしてみましょう。歌詞は結構違うこの二曲なんですが、伴奏にはほとんど変更点がなかったみたいです。ドラムの音色に関して言うと、”飛ヴ” の方が少し余韻がある感じがしました。全体的なアレンジとしては、 "飛ヴ" はそれぞれの楽器の分離が良くて、"Fly Away" はぎゅっと集まってる感じですかね。それじゃ、曲の流れを順繰りに追ってみましょう。イントロなしでいきなりAメロに入って、Bメロでベースを合流させるっていうのはいいとして、このヴァースの間ずっと起こってる現象っていうのが、ダブルギターが左右に振られてるっていうことなんです。イヤホンの片耳外すだけで簡単にわかるんですけど、右がメロディ、左がハモリっていう感じでずっと通してます。だから左だけで聞いてるとなんか変な感じして面白いですよ。サビに入るとダブルギターもセンターに移動してきて、盛り上がってます。”Fly Away” の方では、二番の前にベースが遊び入れてるのが収録されてて、いいアクセントになってます。で、一番興奮したのが、C メロでパリピになるところ。導入でちょっとやんちゃな感じのギターが入りますけど、片耳イヤホン外しで聞いてたらびっくりしました。"Fly Away" では音は均等に振られてるんですけど、"飛ヴ" だと、右はドラムだけなんですよ!! 左はギターとドラムで、右はドラムだけなんですよ!!(ちなみにベースは後から合流します)こういう風にした理由は見当もつきませんが、ちょっとした発見でした。

そういえばこの曲、シンセサイザーが使われてませんね。まぁこれもだから何って話ではなくてただの気づきなんですけどね。 

 

このテイクが後発の 'Farmland' に収録されたのは、アルバムコンセプトに合うからでしょう。「大自然と恋愛」がコンセプト(だとわたしが勝手に思ってるだけですが)の同アルバムにはぴったりです。ファンからすればデモ版なんてなかなか聞けない垂涎物ですから、これからもデモ版を出していってほしいものです。

 

(以下、2020/06/17 追記)


【キツ楽しい3分】何度も踊りたくなる!井上ジョーさんの曲で全身脂肪燃焼! 【痩せるダンス】#一緒にやってみよう

 

いやぁコラボです!!

さらに、これを記念して "Fly Away" と "飛ヴ" がシングルカットされました!! ジャケットが可愛いのでまり友さんもジョー連さんもぜひチェック!!