井上ジョー 'Vlog Songs' 全曲紹介
インスト曲もセンスが光りますね。
2019年4月にリリースされたこのアルバム。旅が大好きなジョーさんが、自身の Vlog (Video + Blog) で使うための音源を作ってしまったミニアルバムです。
新・ミニアルバムをリリースしました!ぐふふhttps://t.co/RnMb4PDSGz
— 井上ジョー (公式) Joe Inoue (@inouejoe) 2019年4月12日
このアルバムを作る前からもジョーさんはたくさん Vlog を撮ってきていますが、そこでは自身の通常の音楽アルバムから曲を採用していました。まぁこれからもたくさん旅をしてたくさん世界のステキな映像を届けてくれるでしょうから、こうして「Vlog 用」の音源を作っておくのは良いことでしょうね。
ジョーさんは以前どこかで「インスト曲は作りたいけどファンを置いていきそうだから遠慮している」といったようなことを言っていたように記憶しています。たしかに、特に日本のオーディエンスには歌詞をより重視する傾向があるので、歌詞のない曲というのは印象に残りづらいのかもしれません。井上ジョー名義のシングルには「"ケリオキ"ver.」と題してボーカルを抜いた "Closer" や "風のごとく" を収録していますが、これは「どんな楽器が鳴っているのかな」よりも「一緒に歌いましょう!」の意味が強いように感じます。というわけで、ジョーさん史上初めてのインスト曲となったのは、(歌詞はないもののボーカルラインが吹き込まれている 2017年 'Salvage' 収録の "Ginza Line" を除けば)'Farmland' 収録の "Flight" でした。逆に言えばそれ以外の曲には何らかの歌詞がつけられているわけで、インスト曲を作りたい欲をよく我慢しているなと思います。
インスト曲というのは Instrumental「楽器の」という英単語から来ています。ただ英語圏ではボーカルを抜いた音源のことを Backing Track などと呼ぶそうで、どうやらこれは和製英語なんですね。豆知識でした。
どの曲にもこれといった MV はなくて、旅動画のお供として聞くことが主です。ここでは、私が見つけた旅動画からちょびっとずつ聞いていただきます。
01. Saudade
鮮やかな旅動画にふさわしい爽やかでかわいらしい EDM で、英語とブラジル=ポルトガル語で歌われています。Saudade という言葉はポルトガル語に独特な表現だそうで、郷愁とかそういった訳語があてられるそうですよ。映像はキプロスを旅した際の Vlog です。
02. Aeroplane
スローテンポで夜景に映える一曲。同じ飛行機という単語でも、airplane がアメリカで使われるのに対してイギリスでは aeroplane がよく使われるそうです。前者が二音節の単語なのに対して後者は三音節なので、音のハマり方が違ったんでしょうね。映像は中米の国パナマを訪れた際のものです。
03. Action
がちがちにロックなインスト曲。ベースの低音がさえわたってますね。前述した "Flight" のようにロック系インストの楽曲は以前にもありましたが、この系統は私の大好物です。映像は自己紹介してるやつです。
04. Rush
ジャズテイストなビッグバンドのインスト曲。(執筆時点での)最近は曲が変わっていますが、2019~2020年くらいの生配信でかかっている曲がこれです(もしかすると冒頭の動画で言及があった6曲目というのが、最近生配信でかかっている楽曲かもしれませんね)。その他、"Hats On! Tunes II" でも BGM になっています。途中リコーダーのような音色の楽器が出てきますが、鍵盤ハーモニカ然り小学校とかで使ってた楽器って今思うと良い音してますよね。映像はオランダ旅から未公開映像を集めたものです。
05. Nostalgia
神秘的なインスト曲。ピアノとコーラス隊だけのシンプルな曲ですが、アレンジのおかげか神々しい雰囲気です。ジョーさんが一人で合唱しているわけではなくて、キーボードとかのプリインの音源を使っているものだと思われます。nostalgia は英語ですが、日本語でより馴染みがある nostalgy は少し古風な英語なんだそうですよ。映像はブラジルを訪れた際のものです。