井上ジョーのMV「幻」についての考察 pt.2

前回の記事はこちらです。

 

sean-s.hatenablog.com

 

 

youtu.be

 

二番は、女性の仕事場である花屋に舞台を移します。

 

(今回は、2:27-3:49を取り扱います。)

 

***
花屋での仕事中も、気分が晴れない女性。携帯をもって外へ出た女性に、心配した同僚が近づくと、女性はメールを作成していました。

「どこにいるの?」

誕生日のあの日、あんなに楽しい気分で駆け抜けた帰り道も、今ではただただ物寂しいです。
ある日、女性は自分の部屋で、小さなメッセージカードを広げていました。Happy Birthday とかかれた二つ折りのカードの内側には

「瑶へ
 19歳の誕生日おめでとう。
 ずっと一緒にいようね。」

女性の思いは涙となってあふれ出します。
***

 

はじめこのMVを見たときは、「19歳で恋人に先立たれるなんてこと、そんなことしないよね」と思いましたね。もちろん、現実として惜しまれながらも夭折してしまう人がいるのはわかっています。とはいえ、悲しい物語の主人公に、恋人を亡くした19歳の女の子をあてるのは、あまりに悲しみが大きすぎる気がしたんです。ただ、こうしてじっくり考えてみればみるほど、19歳という数字に意味があるような気がしてならない気もしてきます。何かとても悲しいことは、この世界のどこかではいつでも起きている。そういうリアリティを、説得力を伴って突き付けてくるような気がします。


そして、これから始まるCメロこそが、このMVを難解にしている部分であり もっとも意義深い部分です。