井上ジョー "Om Telolet Om" & "Sir, Honk the Horn, Sir"

スーパー・ダンス・ソング。

 

"Om Telolet Om" は、2016年にシングルとしてリリースされました。"Sir, Honk the Horn, Sir" は、それをセルフカバーする形で再録され、2017年の 'Polyglot Musix #1' に収録されています。

 


Om Telolet Om (Super Dance Song)

 

"Om Telolet Om" の歌詞は上の MV で見ることができます。

 

この曲のモチーフとなった om telolet om というフレーズ、これには背景があるんです。インドネシアのバスは日本のバスとは異なり、運転手ごとにクラクションをカスタマイズして派手に鳴らせるようになっていて、インドネシアの若者は暇つぶしとしてそれを鳴らさせるという遊びをしていたようなんです。telolet というのもクラクションの音色を示すオノマトペらしいので、独特な雰囲気がなんとなくうかがえますね。このフレーズが注目を浴びたのは 日本時間の2016年12月21日、DJ snake がツイートしたことがきっかけです。

 

 

これを機にこのフレーズは世界的に流行るようになり、何人かのアーティストは楽曲をも作り始めます。

ジョーさんもそのうちの一人です。インドネシアチャンネルをもつほどジョーさんはインドネシアのファンも多いわけですが、このフレーズの爪痕は、ファンからコメントが可能なフェイスブックインスタグラムへの投稿からもうかがえます(リンクは投稿の一例で、他にもそれぞれ二三件確認できます)(ちなみに、当時音楽活動の中心だった赤チャンネルはコメント欄が封鎖されているので、交流があったかどうかは確認できません)。そのころのジョーさんは、同年の12月09日にリリースした 'Joepop #2' のプロモーション期にあって、コメンタリーやMVを精力的に発表していました。そんな中で、21日を境に投稿への奇怪なコメントが目立つようになり始めます(投稿の内容には関係なく、しかも同じ人が繰り返してるのでほとんどスパムに近いようにも思いますが)。その後、ジョーさんが "Om Telolet Om" をリリースしたのは、熱狂冷めやらぬ2016年12月24日。うぅむ、フットワークが軽い。

 

ちなみにクラクションのことを英語では主にホーン horn と言います。楽器のホルンと同じ由来・綴りです。クラクション Klaxon は最初の製造会社の名前で、ギリシャ語由来の造語らしいですよ。

 

トラックは両曲とも共通して低音シンセサイザーがブンブンいってます。ちょっとクラクションを意識してますかね? ともあれ、ある種のきらびやかさすら感じます。

 

両曲間での違いと言えば、前者がオクターブ下で歌ってるってところくらいでしょうかね。あとはボーカルのハモリ方とか処理は後者の方が少し練られてるかもしれません。

 

この曲は BGM にするには主張が激しめな気がしますが、続く 'Benkyo Tunes' と 'Hats On! Tunes' の解説曲でも使用されています。なお、勉強シリーズの 'Hats On! Tunes #2' では生配信と同じく、BGM には 'Vlog Songs' の "Rush" が使われています。個人的にはこちらの方が落ち着きますね(笑)。

 

このジャケ写は、2012年10月17日に Facebook に突如投稿された画像がもとになっています。

 

 

そしてこの曲とは関係ありませんが、2014年12月にインドネシアのイベントに参加した際のまとめ映像が自身の Facebook ページに投稿されています。なかなかいい感じなのでご紹介しますね。