井上ジョー "Hora, Sora Iro No Namida (Sky Colored Tears)"

すごいポップ。

 

'Joepop #2' に収録されたこの曲。コメンタリーによると、Crush (片思い) について歌ってるんだ、とのこと。う~ん、なかなか想像するに難くない状況ですね。

 


Song Commentary - "Hora, Sora Iro No Namida"

 

ラブソングにはいろいろな形がありますが、ジョーさんはどれを書いてもうまいですね。"Magic" とか "Sandomeshi" とかの「希望溢れる系片想い」だったり、"Zawawa" とかは「あきらめ系片想い」。"Mukai kaze" や "In My Arms" は「成就系両想い」でしょうか。この曲は見た目はなかなかキャッチーなのに、歌詞的には「あきらめ系」のタイプでしょうね。

何となくのイメージとして、ジョーさんはあまりリフありきで曲を作らないなぁと思ってます。ご自身は理論的な音楽は好みではないようですが、あくまでハモリとかコードとかを駆使して曲を構築してる印象です。

それに加えて、前にもどこかで書いた気がしますが、ジョーさんはあまりギターソロとかやらないですね。この曲でもいい感じにギターソロを入れられそうな間奏を作っておきながら、ベースで遊んでますし。リードギターよりリズムギター寄りなんでしょうね。

とさんざんギターに注目した話をしてきましたが、この曲ではドラムに注目すべきでしょう。この曲の中で一番難易度が高いのはドラムパートだと思います。そこそこ速いテンポの中で、これでもかと連打連打連打。Aメロなんてほとんどドラムとボーカルに割いてますし、ドラムの音量も強めですし。

 

さて、この歌に関しては、いくつか考察ポイントがあります。

まず、「涙」とは通常何色でしょう? 物理的には涙は無色透明なわけですが、文化的には水色かと思います (涙だって水ですし、色を指し示すのに無色透明たる水という単語を使うのはどうかと思いますが)。

続いて、「空色」とはどんな色でしょう? こんな重箱の隅をつつくような聞き方をされればお気づきでしょうが、空は刻一刻とその色を変えます。時間帯や天気によっては、物理的にも文学的にも、「空色」が指し示す風景は違っているのではないでしょうか。

これらをふまえ、涙を空色に彩ることには一体どんな意図があったんでしょう? ジョーさんは何か固有の色を念頭に空色という単語を使ったのか、それとも?

そんなことを考えながらもう一度この曲を聞いてみると、また違った景色が見えてくるかもしれませんね。